
[GUIDE] 01 | はじめに-音楽がなくても、生きてはいけるけれど。
あなたの毎日に、音楽はありますか?
音楽がなくても、きっと生きてはいけます。
仕事をして、家事をして、家族と過ごして。
毎日はそれなりに忙しく、音楽がなくても時間は過ぎていきます。
でも、そこに音楽がひとつ加わると、いつもの毎日に少し違う時間が生まれます。
好きな曲を聴く。
楽器を手に取る。
もう少しこの曲を吹けるように練習する。
誰かと音を合わせる。
ライブへ出かけて、生の音を聴く。
私の教室にも、それぞれのペースで音楽を楽しんでいる方がたくさんいます。
ずっと音楽が苦手だと思っていた方が、練習を重ねるうちに楽譜を読めるようになり、吹ける曲が増えて、「自分にも音楽ができるんだ」と自信につながったり。
「ちっとも上手くならない」と言いながら長く続けていた方が、ある日ふと、以前よりずっと楽に音を出せるようになっていることに気付いたり。
長く続けるうちに突然やる気に火がついて(笑)、練習するようになった途端にできることが増え、好きなアーティストのライブも今までとは違った視点で楽しめるようになったり。
こうして書くと、楽しそうなことばかりですが、実際には、できなくて悔しい思いをしている時間の方が長いのかもしれません。
何度練習しても、同じところで間違える。
前回できたことが、今日はできない。
忙しくて練習できないまま、次のレッスンの日が来てしまう。
「先生、今週全然練習できてなくて……」
と、少し足取り重くやってくる日だってあります。
趣味なんだから、わざわざ嫌な思いをしなくてもいいじゃない。
そう考える人もいると思います。
それでも、上手くなりたいから悔しい。
できなかったことができたときには、本当に嬉しい。
簡単にはできないからこそ熱くなれるし、本番では震えるほど緊張する。
そして、やり切ったときには感動できる。
大人になってから、こんなふうに悔しがったり、喜んだり、新しいことを知ったり、褒められたり、ときには怒られたり(笑)
そんな時間があるのも、なかなか刺激的です。
そして、音楽を続けていると、人とのつながりも生まれます。
一人で演奏していた人たちがアンサンブルを組み、年齢も仕事も違う仲間と曲を選び、初めて音を合わせる。
最初はバラバラだったものが、少しずつひとつの音楽になっていく。
その過程も、誰かと演奏する楽しさのひとつです。
発表会では、それぞれが時間をかけて向き合ってきた一曲を、人前で演奏します。
その数分間の後ろには、うまくいかなかった日も、練習できなかった日も、少しずつできるようになった時間もあります。
私はレッスンを通してその道のりを近くで見ていますが、同じように練習の難しさや本番の緊張を知っている生徒さん同士だからこそ、分かり合えることもあります。
誰かの演奏を聴いて刺激を受けたり、頑張りを讃え合ったり。
そこから自然と会話が生まれ、新しいつながりができる。
そんな姿を見るたびに、音楽の輪が広がっていくことを嬉しく感じます。
レッスンでも、話が盛り上がって、楽器を吹くよりおしゃべりの時間の方が長くなってしまう日もあります。笑
でも、私はそんな時間も好きです。
練習すること。
できなくて悔しがること。
一曲吹けるようになって喜ぶこと。
誰かと音を合わせること。
ライブを聴きに出かけること。
音楽をきっかけに出会った人と、たわいもない話をすること。
それも全部ひっくるめて、音楽のある暮らしなのだと思います。
そして、忙しい日も、思うように練習できなかった日も、何年もめげずに通ってくださる皆さんには、本当に感謝しています。
音楽は、なくても生きていけるものかもしれません。
でも、吹いてみたい曲がある。
レッスンやライブの予定がある。
できなかったことが、少しずつできるようになる。
音楽を通して出会った人がいる。
そんなものがひとつ増えるだけで、いつもの暮らしは少し面白くなるのかもしれません。
聴くところからでも。
ライブへ出かけてみるところからでも。
いつか、自分で音を出してみるところからでも。
音楽のある暮らしを、覗いてみませんか。